2019/09/03
個人事業主で開業して、売り上げが順調に伸びてくると、「法人成り」を考えることもあるでしょう。
法人にすれば税金が安くなる、大きな仕事が受けられる、人を採用しやすくなる、税理士に勧められた等、理由は様々です。
が、法人にする前に、本当に法人にする必要があるのかどうか、よく考えてみてください。
ここのところ何人かの方に、「個人成り」について相談や質問をされることがありました。
「個人成り」とは、法人を廃業して、個人事業に戻ることです。
「税理士に強く勧められて法人にしたが、個人に戻したい」という話を聞いて、残念な気がしました。
税理士の中には、確かに自分の都合で法人にすることを勧めたり、決算期を変えさせたりする人がいます。
- 法人成りを勧めることが「節税アドバイスをしている」ことと勘違いしている
- お客さまに「役に立っている感」を出そうとしている
- 法人にすると顧問料を値上げできる
- 確定申告は時期が集中するから、法人にして比較的暇な時期に決算するほうが楽
- 税理士を変更させる手として、「法人成りをアドバイスしない税理士なんて変えた方がいい」と営業する
多くの税理士は、お客さまの状況や事情、希望を考慮して、アドバイスをしていますが、自分の都合や機械的に決まりきった文句でアドバイスする人も少なくありません。
「税理士に勧められたから」と安易に法人成りしてはダメです。
いろんなことを総合的に考えましょう。
法人は作るのも廃業するのもお金がかかる
実は、法人設立より会社の解散の方がお金も時間もかかって、大変なのです。
会社を休眠にするという方法ならお金はかかりませんが、中には法的に会社を清算するしか選択肢のない場合もあります。
法人にすると節税の方法は増えるが、社会保険の負担が重くなる
税理士に「法人にしても社会保険に加入しなければいいんですよ」とアドバイスする輩がいるようですが、そんなことはできません。
「うちは加入してないけど大丈夫」という人、それはたまたまです。
調査や指導が入って、何年分も遡って請求されたら、おそらく簡単には払えない金額になっています。
法人にしたら、社長一人で従業員のいない会社でも社会保険に加入しなければいけないことになっているのです。
サラリーマンの場合は、社会保険料は半分会社負担ですが、一人社長なら、会社負担も実質個人で負担するのと同じ、お金が出ていくのが会社の財布と自分の財布両方からになるのです。
厚生年金は保険料は所得に応じて負担が上がっていきますが、国民年金は所得にかかわらず保険料は一律です。
社会保険料の負担が重くて法人廃業を考える人も少なくありません。
そもそも法人にする意味があったのか
これが一番大きいかもしれません。
登記をすることで、社会的信用は増しますが、自由度は失われます。
規模を拡大したいなら法人で行った方がいいでしょうが、ひとりや家族など小規模で商売をするなら、個人でもいい場合もたくさんあります。
「税金が安くなりますよ」につられてその気になってしまったというのなら、一度法人である意味をよく考えてみてください。
また、これから法人にしようか検討している人、最終的に判断するのは自分です。
相談するのはいいでしょうが、その人に言われたからと法人にするのは後悔のもとです。
じっくり考えて、自分で決断してください。
考えた結果、法人にしたのであれば、それが最良の選択であるはずです。
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