2019/09/03
練習を積んで準備万端で本番に臨むって、大切なことだと思います。
でも、練習はあくまでも練習、本番とは違うのです。
私は税理士になったのが遅くて、経験がないのがコンプレックスでした。
なりたての頃は、知識で経験は補えると思い、あらゆる研修や勉強会に参加したり、たくさんの書籍を読んだりして、知識をつけようと必死でした。
今考えると、あれは本番に備えるための練習だったんでしょう。
いざ本番に臨むと、今まで勉強してきたことが役に立たないのです。
役に立たないというのは違うかもしれませんが、頭に入れた知識の応用の仕方がわからないのです。
税理士の仕事で一番多く時間を費やすのは、調べる時間と考える時間です。
同じような相談でも、全く同じケースはありません。
これは特例が適用できるのか、税務的に問題はないのか、条文ではどう規定されているのか、時間をかけて調べて調べて、調べつくして結論を出します。
場数を踏まないとダメなのです。
何百回机上で練習を積んでも、1回の実践にはかなわないのです。
自信がなくて、一歩踏み出せない人。
もっと勉強してからじゃないと、お客さまにアドバイスなんてできない。
もっと練習してからじゃないと、買ってもらえるような商品は作れない。
もっと もっと もっと…
どこまで行ってもキリがありません。
練習はどこまで行っても練習なのです。
確かに、自分で「こんなもの」と思う商品やサービスを買ってくれる人なんていないですし、もしいたとしたら、気に入って買ったくださった方に失礼です。
どこかで一歩踏み出して本番を経験しなければ、一生練習で終わることになってしまいます。
不十分なところは、改善改良していけばいいのです。
本番で失敗することもあるでしょう。
そうしたら、次は失敗しないように改めて練習を重ねればいいのです。
練習を重ねて自信をつける人と、重ねれば重ねるほど本番がコワくなる人と2種類の人がいると思います。
自信をつける人は本番に踏み出すのはやさしいでしょうが、コワくなる人はあるところで練習をやめてしまいましょう。
すでに、本番に踏み出すための練習ではなく、練習のための練習、本番を回避する言い訳のための練習になってしまっています。
いつまで続けても本番は来ません。
自分で踏み出す勇気がなければ、起業はあきらめて、趣味で続ければいいでしょう。
自分の満足のためにどこまでも練習を続けるのは悪いことではありません。
ちょっともったいないだけです。
失敗しても成功しても、本番を経験するということは自分にとって大きなプラスになります。
経験した人だけが得られる充実感や自信は、自分を強くさせます。
ちょっと一歩踏み出してみませんか。
たくさん練習を重ねて、もう準備はできてるはずですよ。
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