2019/09/03
以前住んでいた調布のマンションの近くに、かわいいソーセージ屋さんがありました。
無添加の手作りでおいしいのですが、駅からも遠いし、場所も非常にわかりづらい、住宅街の中にひっそりとあるお店です。
立地はお世辞にもいいとは言えませんが、地元の人だけではなく、わざわざ遠くから来る人もいるような評判のお店でした。
お店を出したい人が考えることは何でしょう。
月々の家賃や借りるときの保証金など、お金のことでしょうか。
こんなお店にしたいという希望のための内装費用でしょうか。
渋谷がいいな、吉祥寺かなといったエリアでしょうか。
一番はやはりお金と場所ですね。
どちらも自宅でお店を始める場合には悩むことはないでしょう。
自宅で開業できるというのは大きな強みでもあります。
お金
毎月の家賃は、売上があってもなくても支払わなければなりません。
売上の増減にかかわりなく毎月かかる経費を「固定費」と言いますが、これはできるだけおさえた方がいい出費です。
家賃が払えなくなって撤退、というのは一番多いパターンではないでしょうか。
また、物件を借りるときには保証金(敷金と同じようなもの)が必要です。
住むための敷金は大体1~2か月分ですが、お店を借りるときは6か月~1年分かかる場合が多いです。
これは、閉店するときは経済的に困窮していることが多いため、家賃の滞納分や内装の原状回復費用を回収できないことを恐れて多めに預かるということのようです。
初期費用が準備できなければ借りることはできません。
場所
場所は、最初はイメージで選びがちですが、大切なのはエリアよりも立地です。
自分の売りたいもの、提供したいサービスを買ってくれるお客さんがいる場所を探しましょう。
もちろん家賃も考慮に入れなければだめです。
エリアにこだわった場合、例えば渋谷駅から10分以内ならどこでもいいのか、ということです。
たとえ渋谷であったとしても、人の流れのない場所にお店を出してもお客さんはわざわざ来てはくれません。
整体のお店を出すとします。
整体と言っても、誰をターゲットにするかで違いますよね。
お年寄りのリハビリなのか、若い女性のダイエット目的か、体調不良の中高年か。
働く女性をターゲットにするとしたら、住宅街の中より、一人暮らしの女性が多く住む駅の近くで仕事帰りに寄れるような場所がいいでしょう。
最初のソーセージ屋さんも、実は「調布の住宅街」ということで、その商売をする上での立地は悪くないのかもしれません。
高齢者と子育て世帯が多い場所で、無添加の美味しいソーセージはニーズがありそうです。
出店する場所のその地域の調査はするべきです。
人の流れや昼と夜の人口の変化、男女比や年齢構成、世帯の人数で独身が多いのか、ファミリー層が多いのかわかります。これらのデータは役所に行けばあるはずです。
自分で調べられないなら費用はかかりますが、調査会社(コンサルタントなど)に調べてもらう手もあります。
もっと簡単なのは、実際にその場所に何日か立ってみて、人の流れを観察したり、何歳くらいのどんな人が多いのか眺めるだけでも、自分のお客さんになってくれそうな人がいる場所なのかどうかはわかるでしょう。
お店を借りるというのは大きな投資ですから、失敗するリスクを下げるためにできる限りのことはするべきだと思います。
ちなみに、行政や町おこしなどでやっている「チャレンジショップ」も条件が合えば利用してみるのも手です。
ただし、条件が合えば、です。
お試しで出店することで、低いリスクでノウハウを学べる、自信がついたらそのまま本格出店できるというのは魅力です。
ただ、おしゃれなカフェをやりたい人が、たとえお試しだとしても、近所の商店街でやって集客できるかは疑問です。
逆に、場所が決まってから、そこで売れそうな商品やサービスをそろえるというのはありかもしれません。
家賃だけで決める、街のイメージだけで決めるというのは、失敗のもとです。
くれぐれも慎重に。
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