2019/09/03
源泉徴収制度で納税意識が低下した?
生命保険会社から送られてきた義母の控除証明書を見ながら、夫が難しい顔をしています。(義両親の書類は夫が管理しているため、転送されてきます)
理由を尋ねると、保険関係の書類は難しくて、どうしたらよいかわからないとのこと。
サラリーマンでも年末調整はするはずだから見たことはあるでしょう、と聞くと、加入している生命保険はすべて団体扱いなので、会社ですべてやってくれて控除証明は一度も見たことがないとのことでした。
すべて給与天引きなので、年間の生命保険料も社会保険料も、納めている税金さえも把握していないようす。これにはちょっとびっくりでした。
以前から源泉徴収制度の弊害として、納税意識の低下が言われてきましたが、目の当たりにして改めて少し危機感を覚えました。
消費税のように支払った実感がある(「納めた」というべきなのですが、あえて「支払う」とします)ものについては敏感に反応しますが、所得税や住民税のように給与天引きのものについては考えたことのない人も多いのではないでしょうか。
かくいう私もOL時代は、一度も源泉徴収票を見たことがありませんでしたし、何の書類かもよく知りませんでした。
給料と言えば、手取りの金額にしか興味がなかったんですね。
年末調整で戻ってくる金額も、ちょっとした小遣い気分でした。
私の意識が低すぎたのかもしれませんが、もし以前の私のように興味関心がなかった方は、今年から意識してみましょう。
年末調整で受けられる控除
所得税を意識すると、控除についてもおろそかにしなくなります。
受けられる控除は受けて、税金を納めすぎないようにしましょう。
社会保険料控除
給与天引き以外で支払ったもの(家族の国民年金保険料など)があれば入れます。
国民年金は控除証明書の提出が必要ですが、国民健康保険料は証明書の添付は不要です。
生命保険料控除
いくつも加入していてどれを提出したらよいかわからない人は、すべて提出しましょう。
会社や税理士が内容を確認して最大限の控除額を計算するはずです。
扶養控除・配偶者控除
子供さんのアルバイト収入に注意してください。
働き者の子供さんをお持ちの方、103万円を超えていないか確認した方がよいでしょう。
住民税の税額決定通知書で扶養から外れたことを知ってビックリ、ということがよくあります。
ただ、子供さんは「扶養の範囲内」など意識してアルバイトしないので、叱らないであげてくださいね。
特定支出
スーツや書籍購入、資格取得費用なども控除できるとして話題になりましたが、会社から「職務に必要である」との証明書が必要であったり、控除できるものにはいろいろ要件があります。
詳しくは国税庁のHPをご参照ください。
ローン控除
初年度は確定申告が必要ですが、2年目からは年末調整でOKです。
税務署から送られてくる「給与所得者の住宅借入金等特別申告書」と、借入している金融機関から送られてくる残高証明書を会社に提出します。
まとめ
所得税について考えることのないサラリーマンが唯一所得税にふれる機会が年末調整です。
ご自分の所得税がいくらなのか、また社会保険料がいくらなのかじっくり向き合うことができると、納税者としての意識も高まるのではないでしょうか。
自分がいくら税金を納めているのかわからなければ、国の税金の使い道や増税の意味や賛否について考えを持つのは難しいです。
まず身近な税金から考えてみる習慣を持ちたいですね。
☆★☆★編集後記☆★☆★
このくらいの季節から、みかんを欠かしたことはありません。
毎日食べて、風邪に備えます。