2019/09/03
経費を使えばその分利益は減ります。
それでは、家族に対していろいろな名目でお金を支払えば節税になるのではないか、そう考えたことはないでしょうか。
経費にならないもの
例えば家賃。
夫が妻所有の店舗で商売をして、妻に家賃を払う場合。
この家賃は経費になりません。
「生計を一にする親族」に支払った金額は、経費にはならないのです。
「生計を一にする」とは、簡単に言うと、「財布が同じ」ということです。
同居しているかどうかは関係ありません。
仕送りで生活をしている家族は「生計一」となります。
また、同居していても別生計、つまり明らかに互いに独立した生活を営んでいれば「生計別」となります。
一緒に住んでいて全く別の生計です、というのはきちんと証明できるものがないと難しいかもしれませんが。
どうして経費にできないのか
どうして「生計一」の親族に対して支払ったものは経費にならないのかというと、先ほど述べたように「財布が同じ」と考えるからです。
夫の利益を減らして妻に利益を付け替える、こうすると税金が安くなる場合があります。
所得税は「超過累進課税」ですので、利益(所得)が多くなるにしたがって、税率も高くなります。
ですので、家族間で利益を分け合えば、一人当たりの所得は少なくなりますので、税率も低く抑えられることになります。
税金を安くするために利益を操作することを防ぐために、家族間での経費の支払いがあったとしても、経費として認められないのです。
その反対に、夫が商売で使っている妻所有の店舗の固定資産税を妻が払った場合には、その固定資産税は夫の事業の経費になります。
これも同じ考え方で、財布が同じであるから、商売に関係ある経費を家族が支払った場合は、事業の経費になります。
経費になる支払いもある
ただ一つ、家族に支払ったお金で経費になるものがあります。
それは、給料です。
青色申告の場合は届け出が必要ですが、届け出をした金額の範囲内で支払った給料を全額経費にできます。
青色事業専従者給与と言いますが、その言葉通り事業に専念している家族に対する給与が経費になるのであって、よそで働いている家族が週末ちょっと手伝うような場合には青色事業専従者給与に当たりません。
白色申告の場合にも専従者控除というのがありますが、青色申告より金額が少ない上に条件も厳しくなっています。
まとめ
経費になるものならないものの判断は難しいものもあります。
迷ったときは税務署や税理士に相談していただくのがよいかと思います。
税金の考え方は、「常識で考えてみたときにおかしいかどうか」で判断すると、大抵はあっているものです。
そこの判断をつけるのためには、税金の基本的な考え方や仕組みを体系的に抑えていないと難しいかもしれませんね。
「家族に支払ったお金は給料以外は経費にならない」と覚えていただければよいでしょう。
☆★☆★編集後記☆★☆★
歯が痛くてつらいです。
知覚過敏の治療中ですが、昨晩は顔の左半分が痛くてしかたなくて、よく眠れないほどでした。
週明けに予約しているので歯医者さんに行って、果たして知覚過敏だけでこんなにも痛いのか、よく聞いてきます。