2019/09/03
先日、とあるセミナーで、個人経営の飲食店の方が一番困っていることは、「手元のお金をいくらまで使っていいのかがわからない」という話を聞きました。
飲食店の廃業率は3年後までに70%というようなことが言われています。
でも、全くお客さまのいないお店を除いて、飲食店のような現金商売は、資金がショートするということは本来考えられないことなのです。
資金繰りについて考えてみよう
飲食店は、現金商売が一般的です。
飲食代は、提供したその日に入ってきます。
そして、食材の仕入れや給料、家賃や水道光熱費などは、後からの支払となります。
黒字倒産という言葉は聞いたことがあるでしょうか。
商売によっては売上の入金より支払が先に来るため、帳簿上は黒字でも、支払の資金が工面できずに倒産してしまう、ということが起こります。
ですので、商売をする上で、いつ支払があって、いつ入金があるのか、管理することが欠かせないのです。
製造業などは、まず材料の仕入れや外注費、経費の支払が先にあって、出来上がった製品を納品して、ようやくお客さまから入金があります。
受注して納品、代金回収まで、3か月から半年くらいかかるのはざらです。
そこまでなんとか資金をつなぐために融資を受けたり、支払を送らせてもらう交渉をしたりします。
飲食店ではどうでしょう。
資金繰りについて、考えたことがある人はどのくらいいるでしょうか。
飲食店は資金繰りをしない
飲食店の良いところは、「今日は忙しかったな」という日には、いつもより多く手元にお金が入りますし、暇なときはそれなりしか現金がありませんので、商売の波を実感できるところです。
そのお金は、実は経費の支払いの原資なのです。
そのことを意識している人はどのくらいいるでしょう。
現金商売ですので、常に手元にある現金を回していけば、支払も当面は何とかなるでしょう。
しかし、入金と支払の管理をしていないと、いつのまにか資金繰りが悪化して、気がついたときには首が回らなくなっているのです。
支払が先に来る場合には、いやでも資金繰りを考えなければなりませんが、入金が先に来る場合は、支払はそれほどきつくないので、資金繰りについて意識をしないため、どうにもならなくならないと資金繰りの悪化に気づけないのです。
資金繰りを意識すれば「儲かっているのに廃業」は防げる
「あの店、いつも満員だったのに、閉店しちゃったね」
そんなお店、見かけますよね。
お客さんが途切れない人気店だって、資金繰りが悪化すれば閉店ということにもなりかねません。
「忙しいのに廃業」は、どうしたら避けられるのでしょうか。
それは、資金繰りを意識することです。
具体的には、1か月の支払がいくらになるのか、まずは把握してください。
そして、そのためには、1か月の売上がいくらあればよいのか、算定します。
1カ月単位でそれを意識してください。
月末になって、売上の目標を達していなければ、その月は資金が足りていないのです。
その場合は、集客の仕方を見直すか、メニューの値段を再検討するなどして、次の月には必ず目標を達成しなければいけません。
「ちょっと足りないけど、まあいいか」はダメです。
その「あとちょっと」が積み重なって、経営を圧迫するのです。
資金繰りを意識することで見えてくること
資金繰りを意識することは、資金がショートするのを防ぐためだけではありません。
売上目標を立てることで、集客について考えるようになります。
メニューの値付けが妥当かどうか、再検討するようになります。
不人気メニューの改良や取りやめ、新たなメニューを取り入れるなど、料理の見直しもするようになります。
スタッフの効率の良い配置や、教育など、人件費についても考えるようになります。
まとめ
商売はお金が回らなければできません。
これだけでも、開業して30%の生き残り組に入れる確率はぐんと上がります。
経営者として、資金繰りだけは意識してくださいね。
手元にお金が潤沢にあるからといって、気が大きくならないことです。
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こたつをようやく片づけて、ソファを買いました。
部屋が狭くなるのがいやで置かなかったのですが、あると部屋らしい感じになります。
床にぺたんと座るより、ソファの方がくつろげますし、わが家には必要な買い物でした。
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