税理士やめて なにしよう

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会社を経営するということ・人を雇うということ

time 2017/03/27

 

以前結婚していたとき、相手の実家が小さな会社を経営していました。

好きで、というよりやらされて始めた経理でしたが、仕事自体は嫌いではありませんでした。

ただ、経営は上手くいっていたとは言えず、自転車操業に粉飾決済、借入金を借入金で返済するという、いつ倒産してもおかしくない状態でした。

毎月月末にお金をかき集めて、仕入れ先の支払いと従業員の給料を払う。

月末に得意先から受け取った手形を銀行で割引き、月初の手形を何とか落とす。

常に綱渡りで、気が休まる暇もなく、一生この繰り返しかと思うと、絶望的な気持ちになったものでした。

 

会社の倒産は、取引先に大迷惑を掛けます。

小さな会社でしたから、仕入れ先も小さな町工場です。

数十万円の支払いだとしても、滞ればすぐに経営に行き詰まることだってあり得るような規模なのです。

「運が悪かったんだ」「時代のせいだ」

そう言って自分たちの放漫経営を反省もしない人たちを、今でも許せない気持ちです。

 

人を雇うということは、その従業員の生活を引き受けるということです。

社長の肩に自分の家族だけでなく、従業員やその家族の生活に対する責任も背負うということです。

節税とか、経費とか、そういう視点だけではなく、経営者としての責任ということもしっかりと考えてほしいのです。

よく「雇ってやっている」「金を払ってやっている」そういう言い方をする経営者の方がいますが、そういう考えではいずれ会社は無くなります。

給料は社長が従業員に「恵んでやっている」のではなく、正当な労働の対価です。

「今月も頑張ってくれてありがとう」そういう気持ちで接するべきなのです。

社長一人では会社は回りません。

社長が社員を信頼してその仕事を認めることができなければ、組織は成り立たないのです。

私は8年間ですが、それを目の当たりにしてきました。

仕事を持って取引先にこっそり転職していった社員、会社がなくなれば客をもって独立できると倒産を楽しみにしていた社員、しょっちゅう二日酔いで出勤して出先で昼寝ばかりして働かず、辞めた後会社の悪口を言いふらしていた社員。

それぞれきっと人間性に問題のある人達なのでしょうが、社長が従業員を大切にしなかった結果です。

社員が働かないと嘆く前に、自分の経営者としての資質を見つめ直してください。

自覚はありますか?心構えはどうですか?社員ときちんと向き合えていますか?

 

経営者って、カッコいいものなんかじゃありません。

社会的責任をしっかりと受け止めなくてはならない、大変な立場です。

社員を雇うかどうかは、金銭面の負担プラス、肩にかかる責任のことも考えた上で判断しましょうね。

 

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