税理士やめて なにしよう

愛車のZ900RSとバイク三昧のセカンドライフを目指して

大切な、たった一人の家族(回想)

time 2017/08/15

小さいころはデブだった

子供のころからずっと犬がいました。

代替わりはしているけれど、家にはずっと犬がいました。

でも、私の都合で撫でたりするだけで、世話をするのは家族。

だから、飼っていたとは言えません。

 

最初の結婚をしたときに、初めて私の犬を家族に迎えました。

私の、というか、私だけの家族です。

元夫とその両親と、私の間には大きな壁があって、私の家族はゴールデンレトリバーのベルだけでした。

いつも一緒で、どこに行くのも一緒で、何をするのも一緒。

私はベルに、ベルは私に、べったり依存していました。

 

毎日のベルのご飯は手作りです。

体調を見ながら材料を吟味して、量を加減して、「犬の体に良い食べ物」を研究して、まるで犬の管理栄養士のようでした。

毛のつやや、便の色やにおいや硬さ、散歩のときの歩き方や息遣い。

自分の人生は、すべてベルの体調管理と幸せのためにあるようなものでした。

ベルが来てから旅行に行ったことも、一日家を空けたこともありません。

外出が極端に減って、出かけても用事だけ済まして大急ぎで家に帰りました。

お互い、ちょっとでも離れてると心配で、何にもする気がしないのです。

ベルも私が出かけている間は玄関で過ごし、食いしん坊のくせにご飯もおやつも喉を通らないようで、私の顔を見ると大喜びでご飯を食べる、という具合でした。

 

離婚後も実家に一緒に戻って、相変わらず同じような関係が続き、私は税理士試験の勉強の合間にベルとの散歩を楽しむ生活に変わりました。

ベルがいれば他には何もいらないと本気で思っていました。

いない生活など考えもしませんでした。

 

トイレを失敗するようになり、そろそろ介護が始まるかな、そしたら会計事務所やめて、ずっとそばにいよう。

もうじき10歳というある日、突然死んでしまいました。

私に介護、させてくれませんでした。

もっといっぱい遊んであげたかった。

もっと好きなもの食べさせてあげたかった。

ただ、全力でかわいがって、全力で向き合って、ベルの愛情表現も全力で受け止めました。

いなくなってから10年、今でも思い出すと号泣ですが、私もベルも、世界一幸せな飼い主と世界一幸せな犬だったと思っています。

 

お盆なので、亡くなった大切な人(?)を偲んでみました。

 

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